しばらく前にホワイト企業認定制度が発表されていましたが、
この数年、一億総括役とか女性参画推進室など、労働力の底上げと、
それに準じる女性の雇用と活用にいろいろな施策が発表されています。
また一方で子育てに対しても待機児童の解消や育休制度などもいろいろと考え、
提言はされているようです。

 私の仕事でも、ブラック企業と言われないか? なっていないか?
と不安になる方やどうすれば女性に気持ちよく働いてもらえるかと
悩んでいる方も多くいらっしゃいます。
いや今の日本の会社では、まだまだそれすら考える企業は少ないのではないでしょうか。
 そうした中で私が一番難しいと感じるのは、セクハラと同じで、
悪意があるわけでなく昔からの慣習やその年代の方々の常識でそうした考えになっており、
今、そのやり方や考え方が問題になっているということがどうしても理解出来ない方が多い事です。
分かっていながら自身の利益のためにブラックになっているなら、
指摘されたり、注意されることで利益よりもリスクが高いと感じれば変わる事もあるでしょう。
しかし、自覚が無く自分の時代の文化や常識で当たり前と思っていたり、
良いと思っていたりする人には、その文化や時代が変わって来たことを知ってもらい、
理解してもらわないと直してもらうことが出来ないのです。
しかも前提としてその方達の生きて来た時代や文化の中では
その方達も決して間違ってはいないですし、
そのやり方、考え方で成功してきたのですから。
まずは、なぜ変わったか何の為に変わったか、それによってどうなるのかを伝えないといけません。
それは大変なことです。
それなのに、政府、行政からは次々とカンフル剤のように新たな施策を打ち出してきます。
現場の人間から言わせてもらえば、前述のような根底が変わったという事を理解していないのに、
新たな制度や施策が定着するわけがありません。
それぞれは良い政策かもしれませんが、このままではただただ守れない約束がたまるばかりで、
消化不良を起こすだけだと私は思います。

 そう考えると、前述のブラックじゃないか? 女性を云々と考えている方に
私が基本として言うことは二つだけです。
まず、いろいろな新しい制度を取り入れたり守る前に、一番の基本となる
労働基準法を本当に守れているかということ、
それと従業員への完全な情報開示が出来ているかということです。
この二点がしっかり守れていれば、私は大抵の問題が解決すると思っています。
男女関係なく基準法と情報開示、それだけ。それが基本です。
でもご自身の会社をよく考えてみてください。この二つを完璧に守るのは実はとても難しいのです。
私たちは実は既にすばらしい制度を手にしています。
追加で他の約束を増やすより、まずはそれを守れているか、守れるかを
しっかりと多くの方に考えていただきたいと思います。
 男性も女性も基本は週48時間労働で、決められた休憩や休日がなんの問題もなく気軽に使える。
残業も決められた時間まで。育休や産休もちゃんと取れる。
それだけで男性も家庭に関われ、女性は仕事に出て行きやすくなるのではないでしょうか。
こうして基本に立ち返ることはとても大切なことだと思います。労働基準法と情報公開。
ご自身の会社は?と不安になったり、これからを考えるなら、
もう一度そこから見直す事をお勧めいたします。

 どうすればそういう見方ができるのか、変えられるのか?
一人でお悩みでしたら、どうぞ気楽にご相談ください。
出来る限りその手助けをさせていただきます。