だんだんと気温も上がり、夏の気配もチラホラと感じますが、
その前に湿気と共に梅雨ですね。明後日には6月。
染まるのを待つ紫陽花がそこかしこで目にとまるようになりました。

雨はお客様の足を鈍らせがちですが、
最近は雨の日セールや一休みの足しとなるサービスなど
梅雨ならではの工夫でお客様に普段とは異なるアプローチが
出来る期間でもあります。 
それこそ雨の日にゆっくりと考えてみるのも良いかもしれません。

さて、それとは別に最近この時期に意外と聞こえてくるのが、
ゴールデンウィーク、五月病を越えて働いている新人の方々が
夏前に辞めていくという離職問題です。
これはこれまでの五月病よりも深刻です。
五月病で多いのは、入社1ヶ月がむしゃらに過ごした中で
これまでの授業で学ぶ生活の1ヶ月と異なり目に見えて身に着けている物の無い、
自分ですら分かるほど何も出来ない自分に、
ふと出来た休みの日々の中で気づいてしまい仕事に対する自信を無くなったり、
1ヶ月の頑張りの疲れが出てしまって、その先に対する体力的不安感を持ってしまい、
落ち込んでいき辞めてしまう。
どちらかと言うと「自分へのあきらめ」が原因で、
この場合、多くが皆が通る道ということで、それぞれの会社のノウハウ、
先輩や会社自体の対応で残るべき資質のある人は
なんとか踏みとどまれる事が多かったかと思います。
もちろん辞めてしまう場合もありますが、
私の考えと印象では、その人と会社には互いに合わないままの無理があり
それを強引にはめ込もうとお互いがしていたように思えることが多かったので、
その場合は会社にとっても、その方にとっても早く気づき
離れられてよかったと思える事が多い気がします。
とうぜん、特に理由がないまま、分からないまま辞めてしまう方も居るに居ましたが。

しかし、私が感じている「梅雨辞め」(勝手に私が作った造語です)は
それよりも会社にとって深刻な問題だと思っています。
売り手市場と言われる中でそうしたことも当たり前と言われそうですが、
「梅雨辞め」は自分に自信をなくすのでは無く、会社が見限られるのです。
これが本当にどうしようもない会社なら、当然仕方がない事ですが、
私が残念なのは、会社が本当にダメな訳ではなく、お互いに良いと思われる感じなのに、
認識の違いやアプローチの違いでかみ合わず、離れることになってしまう事です。

このミスマッチ、大抵が会社側に修正点があります。
やはり、せっかく売り手市場の中で選んでもらうのですから、
それなりの時間をかけ、苦労するのだからもっとミスマッチではなく
マッチする人材にアプローチすべきですし、
入ってからも、今のマッチする人材の世代と傾向を認識し考えた指導が必要になります。 
終身雇用という言葉を知っていても、社会でそれが崩れているのを体感している
彼らの判断時間は、良くも悪くも早いのです。
一ヶ月目、ゴールデンウィークでは、
オリエンテーションや研修的なものは理解しているのでそこまででは判断しません。
問題はそこから始まる、本当の仕事です。
これが思っていたのと異なると彼らは自分の将来を考える事になります。
では、好きな仕事を経験のない新人にさせるのか? とお思いでしょうし、
幹部候補と思っているからこそいろいろな部署の経験をさせようと考えてなのにとか
現場を知ってまずは汗水垂らしておかないととか言われそうですが、それは最もです。
但し、それは前述した終身雇用で社会常識としても本人の意識としても
一生、退職までの約40年、そこで働くのが前提の場合です。
分かりますでしょうか?
その意識のズレが一番の問題で、雇う側の大半は長年かけてと思っていませんか?
10年後には・・・と。
でも、言ったように彼らの意識は10年後の会社を社会を自分を想像出来ていませんし、
きつい言い方をすれば、信用していません。
なので「言わなくても分かる」は通用しないんです。
だから、今の新人にはしっかりと会社の中の評価システムや人事考課
マネージメントを必要に応じてしっかりと伝え、
だからこそ、今、これをしてもらう、
本人にも会社にとっても必要なんだと理解してもらうことが必要です。 
面倒、なぜ新人にそこまでと思われるでしょうが、
これを整え、いつでも誰でも全社員が共有出来れば、
自分が何の為に仕事をし、それは会社にどう貢献しているか、
誰かの仕事はどう自分と関わり、自分の仕事がどう誰かに必要とされているかが分かります。
これは会社が有機的に判断し動けるようになる基本となります。
会社にとっても大きな財産となるのです。
そして、それを就職期間から明確に相手に伝える事で
まず、採用時のミスマッチを減らすことができます。

会社にとってもとても厳しい事ですが、
このミスマッチの多い売り手市場の就職戦線の中、
買い手として、これが出来れば大きなアドバンテージに繋がると私は思います。
自社でやりきれず、ご相談が必要とお考えなら、是非お声をおかけ下さい。