ビジネスのいろいろな案件の基本的な仕事として
人を説得するということがあります。

接客、物を販売するのは、お客様を説得することですし、
融資や資金を集めるには出資者への説得が必要ですし、
ビジネスプランの提案でクライアントの説得はもちろんですし、
社内であれ、企画やプランを通すためには、社内、上司の説得は欠かせません。

先日、プライベートで少し相談を受けまして、
それはある施設を使いたいので、お願いをしているのですが 
どうも担当窓口で断られてしまい、
お願いもしっかりと聞いてもらえていないので
何か方法はないでしょうか? といったことでした。 

ここでは大雑把な情報になりますが、
そのお願い自体、施設を使用したいというのは正当性があり、
必要なことではありますが、
その施設でなければ絶対無理というわけではないこと。
しかし諸々の事情を考慮すると、
話を聞く限りその施設の使用がベストだと思えました。
そして、許可については理由はあるので、
極端に言えば、その施設の責任者次第で
会議のテーブルに乗せられるかどうかが決まる感じでした。

相談も、まずは話を聞いて検討するべきテーブルに乗せてもらいたい。
そうすれば、結果としてその施設の使用がベストだと分かってもらえるはず。
というものでした。
それで、一応、担当部署には嘆願書的なものは出しているとのことでしたが、
一読させていただいたところ、
基本的にはきっちりとしたフォーマットの文章でした。 
そう、何の問題もないのですが、普通と言えば普通。
何の変哲もないものだったのです。

この何の問題もない、何の変哲もないが曲者で、
そうした「当たり前」や「普通」は、
気づくと大抵「自分が、自分が」となっていて、
「だからこうするのが当然」という感じになっているのが大半です。
それがこれまでの「当然」だからなのですが、
私は、これこそが大半の人が説得がうまくいかない理由だと思っています。
「自分が、自分が」で「だからこうするのが当然」 というのは
自分の思っている事は正しいので、相手も分かって当然という感覚です。
でも、実際には相手は相手で異なる立場に立っていて、
異なる方向からその問題を見ています。
そうすると、その相違は無意識に「自分」と「相手」を隔て、
ともすれば「敵」のような感覚をお互いの中に感じさせます。

「接客や物販でそれはないでしょう?」 と思われるかもしれませんが、
売ろうとした気持ちが前のめりになり押し付けがましくなる時、
理想で言えば、スタッフもお客様もそれを良いと思えるファンになり、
それを欲しいと思って買ってもらえるのが良いはずなのに、
自分が知っている魅力は感じて当たり前と思ってしまい、
お客様に十分にその魅力を伝えず販売していませんか?
そうしたお客様は一度は買ってくださっても、本当の魅力を見出せず、
二度と買っていただけないかもしれません。
それが説得における「相違」です。

では、こうした「相違」を引き起こさずに
出来るだけスムーズに相手を説得するにはどうするのか?
基本は同士となることです。
よく言われるwin winの関係などが典型的ですが、
お互いが良いでしょう? という説得の方向にするのです。
もしくはそういう風に思わせる説得をします。

先ほどの施設の件では、根本的な問題は、
誰もが困り何とかしないといけない問題だったので、
まずはお互いの立場を横に置いて、考えるべきはその問題でしょう?
という、一歩引いたスタンスで、本質の問題が何かを分かってもらいます。
そしてその問題を解決するには、施設側の協力が必要ですし、
協力してもらうための問題の解決にあたっては
自分たちも出来るだけの事はしますし知恵もだします。
というスタンスで、気づけば横に並んで問題にあたっている形で説得します。

同時に出来ないと言われた理由を予想し、
それに対する対策案を出来るだけ用意して、担当者がテーブルに上げやすくします。
以外と面倒なだけで、無意識にそれを考えてもいない人も少なくないので、
それだけで、動き出してくれる相手もいるものです。
こうした事は社内でも多々あります。動き出しを軽くしてあげることで、
結局、自分の思う形で動き出してくれるものがあるものです。
結果として、自分がやりやすくなります。

それを全部自分が負うのかと思う方もいるかもしれませんが、
よく考えてください。
それらはやらされていることではなく、自身が導き、コントロールしているのです。
相手を仲間に、同じ立ち位置に持ってくること。
簡単ではありませんし、私も常に修行中ですが、
皆様も是非考え心がけて見てください。