金融庁の金融審議会の市場ワーキング・グループによる報告書
「高齢化社会における資産形成・管理」がいろいろと問題になっています。
話題になったのは、年金便りの生活では老後2000万足りなくなるということでしたが、
それが大きく言われ出すと、
驚いた事に政府がその報告書を受け取らないという暴挙に出ました。

私はここで政治について何かを語る気はありません。
私が言いたいのは、ビジネスでもこうした事はあり、
それは、後になるほど大きくなるとても重大な問題だということです。
今回の件、個人的には2000万足りないが気になりますが、
ビジネス的に致命的と考えるのは、その報告書を麻生さんが受け取らなかった事です。
それと共に、自民党の何人かのお歴々が「不安を煽るけしからん報告書」的な言い方で、
その報告書について話していましたが、
ビジネスで考えた時に、この報告書は会社のしかるべき部署で
有識者を集めデータを元に考えてもらったものであり、 
そこには少なくとも会社として信じるに値する一つの材料があります。
まして、そこには例まであるのですから、こんな素晴らしい検討材料はありません。
自分たちが検討する、考えるために問題を明らかにしているのが報告書(レポート)です。
報告書は、あくまでも素材であり、それ自体が問題とはなりません。
それをどう扱うか、どう捉え、役立てるかが問題なのです。

そういう意味では、今回の政府、自民党の対応は最悪です。
それを受け入れ、直視し、検討し、対策を考えるのが仕事であるはずですし、
その為の市場ワーキング・グループによるレポートだったはずです。
なのに都合が悪いデータは受け付けないでは、
全く役に立てられませんし、思考停止を露呈した以外のなにものでもありません。

会社でお金をかけて集めたデータを専門家にまとめてもらい、意見を出してもらう。
それを踏まえて会社の問題や改善点を話し対処を考えなければならないのに、
ネガティブな情報が漏れて、それを誤魔化し責任転嫁しようとしている。
そうとしか見えません。
そんな姿は、社員にどう見えるでしょうか。

会社で上に立つ者は、ネガティブな情報ほど、より早く正確に把握し、
その問題に対処する姿勢を見せなければなりません。
聞きたくなくとも、それは事実なのですから。
聞かないふり、見ないふりをしても事実は変わりません。

調べさせたこと、検討させたことは問題ではありません。
結果にかかわらず、それをするのは備える為に必要なことです。
問題なのは、そう考え市場ワーキング・グループを作り、検討していた筈なのに、
周りが騒ぎ出した事で、まるでパニックになったかのようにそれを忘れ、
聞く耳を持たなくなって、目まで塞いでしまった事です。
でも、今の世の中では、自分以外は目を開けて、そのレポートを聞いてしまったのですから、
いくら自分が無視しようにも、もう問題は晒されてしまっているのです。
であれば、しっかりとそれと向き合い、対策を考える姿勢こそが、
社員に信頼され、会社としてもそれに対処出来るチャンスになるのです。

客観的なデータはとても大切です。
それがネガティブなものなら尚更、至急で対応するべきです。
だからこそ、聞く耳と見る目は常に広げておくことが大切です。
データや素材に罪はありません。対処を怠ることが罪なのです。