二月になりました。昨日は暖かだったのですが、今日は一転して冷たい風が強く吹いています。
三寒四温と言うには早いですが、暑い寒いが繰り返されそうなので、
より体調には気をつけた方がいいですね。
私も実はこの日曜から昨日に掛けては思いもしなかったノロウイルスにやられ、倒れておりました。
幸い早い処置でおとなしくしていたので、家族の誰にも感染することなく、
自分自身も早く回復する事ができましたが、思った以上に急に発病しましたので、
皆さんもお気をつけください。

さて、具合が悪くて倒れてニュースを見ていたら、
セブン−・イレブンのバイトさんの罰金の話がでていました。
ネットのニュースを斜め読みしただけなので、本当の所は分かりませんし、断言は出来ないのですが、
内容としては、バイトの高校生が病欠したら本人が代わりの人間を手配出来なかったとして、
その休んだ分の時給を罰金としてバイト料から更に引かれたというものでした。
明細と店長からのメモを見る限り、出なかったバイト料が下がっているのではなく、
働いたバイト料から、休んだ間の時給を更に引かれたということです。
もう一度、ここで書いておきますが、とりあえずネットで散見しただけなので、
このニュースそのものの真偽は厳密にはわかりません。
ですが、私の仕事上でもこうしたケースはままにあるので、ちょっと書いておきたいと思います。
まず、本当にこのようにバイトの方が病気によって休んだ場合、バイトさんの場合は時給性であり、
働いていない分は払われないので、その分を貰えないのは当然です。
その代わり、バイトの方々はある意味調整すれば働く日時を選べるのですから。
しかし、働かなかった、もしくは代わりの人間を手配できなかったといって
更にその分の罰金を科すのは明らかに間違っていますし、
労働基準法からいっても違法行為となります。
この記事に対するコメントを読んでいると、いくつか「今時の高校生バイトは・・・」といった
高校生の意識の低さを嘆き、だからとこうした処置も罰として容認しそうに感じる言葉もありました。
確かに私が関わる方々の所でも、アルバイトの意識の低さに問題がある場合もございますが、
それとこうした行為は別問題ですし、そうした意識は雇用側の問題でもあります。
いや、もしかしたら雇用側が今の状態を生み出してしまったのではないかと私は考えています。

というのは、そもそもの日本の雇用契約がとても曖昧だと思うからです。
日本では雇用契約書がしっかりと開示され労使互いが持ち合うことは殆どありませんし、
あったとしてもごく一部の最低限の条項で、こまかな事は示されませんでした。
ですが、その細かな事が「わかるよね」「あたりまえのことだよね」
という事で済んでいってしまうのです。
これは性善説と互いの信用を基本とし、昔からの丁稚奉公や終身雇用が当たり前の時代で、
同じ文化や理念だからこそ通じることであり、今のグローバルな時代、
また世代により常識や文化がこれほど異なる状況では、そうした考えはトラブルのもととなります。

その上で、私はバブルがはじけた後、デフレスパイラルの中で、それでもハリボテのような、
薄氷を踏むような疑似的とも言えるほどのバブル世界を保たせてきたのは、
雇用側がその「なあなあ」を都合良く使ってきたからだと考えています。
それが、今、そうした「なあなあ」が都合良く使われる20年で育った世代が世の中に出て、
当たり前になり、行使してるのです。ニュースの例で、雇用主はバイトが代わりを手配出来なかった事をペナルティーとしていますが、そもそもそれは管理者の仕事であり、
バイトが互いに融通をきかせても、最後の決定権は店長やそれに準じる正社員にこそあり、
話し合いを経て店長の責任でそれを決めることになります。
その一番の店長の仕事や責任を「なあなあ」でバイトに押しつけてきた結果が今なのでしょう。 
ここで一番問題なのは、だれがどのような権限を持ち、義務を果たし、
どんな責任を持って働いているかが明らかな形で示されていないということなんです。
前述したように、これだけバックボーンが多種多様になった今、
しっかりとした契約書を制作し、正直に条件を提示することが必要だと思います。
もちろん違法な条件は全くダメですが、
それすら正直、本当に分かっていない経営者の方もいますから。
そんな方は契約書をしっかりと作ることで何がいけないかを知る事もできます。

また、アルバイトの方も明確な条件が分かり、どこまでが自分の責任か、
どこからを上司や店長に話すか、さらには自分の希望や条件もしっかりと話すことができます。
こうした健全な関係で契約を結ぶと自ずと責任感は芽生えるものです。
つまり、どんな権利を有しどんな義務を果たすのかを
お互いがしっかりと話し合わなければいけないのです。
そうすることで、保証された自分の権利を行使する為に、
アルバイトの方も責任感を持って仕事をしてくれます。
そうした契約でしっかりと保証されてこそ、
不意の事情があったときに信用し互いに話し合いができるのですから。