先日から築地市場の豊洲移転問題で
東京都議会の百条委員会というのが開かれており、
石原慎太郎元都知事が呼ばれ審問されているのを
時間があったので見ておりました。
直後から石原さんの証言とは別に質問者や百条委員会の進め方そのものに
多くの批判が出ておりますが、全くその通りですね。
私も見ていてあきれてしまいました。

まず、質問者が党や会派で分かれていて同じような質問を繰り返してしまった事、
その上、的確に切り込めず、前の質問と答えを生かせていないので、
単に重複した無駄な質問時間になってしまった事。
更に挨拶や変な気遣いで無駄な時間を使い、
それぞれの質問に対する「求める明確な答え方」を想定していないために、
答えの確認が曖昧になってしまった事、その他もろもろありますが、
なんにせよダメだったという事ですね。

このブログで以前に書いた「健全な議論の方法」の中で言っていたように、
まさに今回の百条委員会は、話し合う人達が話す目的を
しっかりと理解していなかった典型だと思いました。
そう書くと「いやいや理解してたでしょう」と言われそうですが、
私が気づいたのは百条委員会そのものの問題とも言うべき事で、
これは国会の証人喚問などでも同じだと思うのですが、
それらは相手を責め、つるし上げ追求し、罪を認めさせるのが目的なのか?
ただ事実と真実を詳らかにするのが目的か? と言うことなんです。
私としては、後者の「事実と真実を詳らかにする」ことこそが一番の目的であり、
その上で、責めたり、罪があるならそれを償わせるのは別の場でするべきと考えます。
嘘を言えば偽証罪に問われる程にあの場での証言には証拠性があるのでしょうから、
事実が明らかになり、それに問題があれば
罪云々は後で別の場で十分に責めることが出来るでしょうし、
何よりああした場は裁判所ではないのですから。
なのにそれらが入り交じり、まして質疑に立つ人間が複数で、
しかもそれぞれの党、派閥の力関係でコンセンサスも取られていないのですから、
ああした結果はしかたがないと言えるでしょう。
それが分かっていながら選挙を前にそうしてしまったのでしょうから。

まあ、議会は都議の方々にがんばってもらうしかないのですが、
今回の中継でもう一つ、会社の会議や打ち合わせで考えてもらいたいのは、
会議や打ち合わせの場に来て、それについてその場で個人が考え出しては
時間がもったいないということです。
個人の考えは一人の時に十分に考えられるのですから、
会議や打ち合わせでは、それを持ち寄ったところから始められるのが理想的ですね。
人と話すのは化学変化してこそ意味がありますから。
ただの作業ではない思考の前準備こそ、
会議や打ち合わせを効率的、効果的にするための一番大切な作業です。
どうぞ心がけて、是非良い話し合いの時間をお持ちください。

しかし、こうしてたまに中継を見て、
会社の会議や打ち合わせの反面教師にするのも良いかもしれませんね。
いろいろと自身の反省点が見えてきます。
まあ、ご自分だけでは気づき辛いとお思いになったら、
また会議をより効率的にと思いましたら、是非、気軽にご相談ください。