溶けるほどの暑さが続いていますね。まだ梅雨ですが、既に真夏の暑さです。
ネットで読んだ中に、日本に来ているアフリカのマサイ族の人が「日本はアフリカより暑い」
と言ったとありましたが、それだけ湿気のある日本の暑さは別物だということですね。

 そんな炎天下の中、スーツ姿で外を回っているサラリーマンの方は、
それだけで頭が下がる思いです。
とは言え、せっかくそんなに汗水垂らしてがんばっているのに、
その自分の頑張りを意外と取りこぼしてしまっている方がいるのを感じます。
 先日、少しお話した方もそうしたお一人でした。
その方は営業だけをしているわけではないのですが、
どうも営業で新規の契約が思うようにとれなくて少し悩んでいるようでした。
そうした事はこのご時世、そんなに常に新規がとれないのは当たり前ですが、
そんな中どちらかと言えば、その方は基本的にはよく販売している方だったと思います。
でも本人曰く、どうも率が悪い、販売率が悪い気がするという感じで、
そこをなんとかもっと効率を上げられないか? と言うことで、
どこがいけないのかを知りたいとの事でした。
話を聞き、その人を見ていると、確かに販売数というか契約数は決して悪くはないのですが、
その方の売り込み数や話し方、雰囲気からするともっと売れても良いのでは・・・と思いました。
話していても感じが良く、人当たりも良い上に話しもうまいので、
はっきり言って何が悪いかが分からず、
それだけ販売出来ているならそんなものでは・・・と思ったのですが、
よくよくお話しして、逆に販売出来なかったお客様やその時の状況を聞くと、
あまり覚えていない事がわかりました。
同じように販売しているのに、なぜか売れなかったといった感じでした。
それがヒントになりました。

 私が常々思っていることですが、昔から言われる事で「失敗は成功の元」という言葉があります。
でも失敗を成功の糧とするには必ず反省し、原因を解明し修正しなければなりません。
そうでないと失敗はただの後悔として残るだけです。
それを反省し改善する事で失敗が経験となって生きるのです。
そこで、売れなかった時の事をできるだけ思い出してもらい、相手の雰囲気などを話して貰いました。
それでもそこにあまり違いはありませんでした。
当然どんなものであれ、営業さんがうまいからって全ての方が買うわけではありませんから、
そんなものかもと思い、別の原因を探ろうかとしたところ、その周辺に原因はありました。
 日本のおもてなしが話題になる中、驚かれる一つに、
お店などで何も買わなくてもお辞儀されたり、挨拶をして送り出してくれるというのがあります。
その行為は私にはただの礼儀だけでなく、ビジネス上の大きな利点もあると考えています。
いわば余韻を残す、良い余韻を残し、次に結びつけるということです。
そうすれば次の機会には買ってくれるかもしれませんし、
自分には必要なくとも人に勧めたり、何かの機会に良い店だったと思い出してくれるかもしれません。
つまり宣伝の一環になります。

そう、この方は最初の印象での営業がうまいだけに、
営業数を多くすれば、それなりに売れていたのですが、逆にそれで売れているだけに、
リピートや販売できたところの周辺ではあまり売れていない事に気づけなかったのです。
それがここにきて、どうも率が悪い気がするという漠然とした形で出てきたようでした。
せっかくの営業です。その一回がより長く良い余韻を残すことが出来ていれば、
それは口コミのような広がりを見せ、宣伝効果につながり、また買っていただけるはずです。
つまり、1が2にも3にもなるんです。

 そこで、改めてその方の営業方法について話を聞いていきました。
すると見えてきたのは、やはり営業後があまりにもあっさりしすぎていて、
アフターフォローがされていないということでした。
もちろん機会があれば挨拶やご機嫌伺いはあるのですが、
基本的に「何かあれば声をかけてください」で
ご自身からリアクションはしていないということでした。
もちろんプレッシャーを与えるしつこい感じは、今の時代は駄目ですが、
覚えていますよ、いつも気にしていますよというのを伝える程度には
フォローというか挨拶程度は必要です。
なので、ついでがあったり、まったくそうした事がなくとも
ご挨拶のはがきやメールくらいはたまにすることをお勧めしました。
その方の扱っているものは一度買うともういいって感じなのですが、
そうする事でその方の周りの方に広がる可能性が見込めます。
また、その時に販売できなくても同じです。
断られたときに、いかに良い印象を残せるかで、
ご自身が断っても、良い会社だったと思ってもらえれば、
次の機会や知り合いに話が行くかもしれません。
気の長い話しかもしれませんし、すぐに売れる話ではありませんが、
その方はもともとそれなりに販売出来ているのですから、
新規は新規で開拓し、自ずと種もまいておけば、
きっと後に芽をだしてくれる気がしました。
その方も、そうして振り返った事で、
気持ちも営業的にも少しとどまってする事に気づけたようです。
もちろん扱うものによりますが、そうした改善点は意外とあるものです。
もう一つ何か・・・そうお思いになったら、是非、お声をかけてください。