急な冷え込みで、気温だけで言えばハロウィンを通り越して
クリスマスかと思うような寒さになりましたね。
秋雨と言うのでしょうか、冷たい雨も続き気分もちょっと晴れませんね。
でも、落ち着いた秋だと思えば、たまには静かに物思いに耽るのも良いかもしれません。
今は忙し過ぎる世の中ですから。
ちょっとした時間の隙間でもついついスマフォやPCに手が伸びてしまい、
そうした気を抜く時間もありませんから。
瞑想とまでは言いませんが、そうした時間も必要なものです。

 そんな長雨の中、神戸製鋼の不正のニュースが流れました。
商品・素材(?)の強度の不正のようですが、
それ以外もいろいろとあるようで日々情報が流れています。
不正は長い時間、慢性的に行われ常体化していたようです。
その原因の一つに上げられていたのが、納期と質のプレッシャーです。
強度不正があったとはいえ、今のところ実質的な強度としては問題がないとの事なので、
正直、賞味期限などと同じで規定の強度が考える以上に余裕をもったものになっているのだろう
とは想像に難くありません。

 こうした事を聞く度に、私は、日本の文化特有の気遣い、
行き過ぎた忖度が現代のビジネスでは悪い方向に働いていると考えます。
電通を始めとした日本企業のブラック問題、デフレ問題、それらも根本的には同じだと思います。
電通は事件後、いろいろな改革を打ち出し、表向きは実行しているようですが、
結局、聞こえてくるのはクライアントがそれに納得せず、不満を抱いてしまっていること、
また働いている方もやりきれないものを成績、売り上げのために持ち帰ってしまったり、
なんとか誤魔化して出来ないかとへんな工夫をしていたりするようです。
神戸製鉄でも納期で言えば、顧客、取引先企業が無理を言わなければ、
もしくは神戸製鉄が顧客獲得の為に営業的に無茶なサービスで
「いや、大丈夫、もっと早く出来ますから」とか納期を短く言わなければ・・・
と想像してしまいます。
 結局はクライアントの無理な要望と忖度する会社、
どれだけ無理が出来るかが誠意と企業努力と思っているビジネス文化が、
ブラック化や性能的無理・価格的無理を通すための不正の原因となっているのです。
横並びや業界での価格操作にダンピング、カルテルなどは違法です。
でも、労働基準法やそれぞれの業界の規則、規定を破る事もまた違法なんです。
私はそれを企業のドーピングと言っております。
会社としてのその努力と無理は正当な範囲のものなのか?
どこかに違法な行為が入る余地がないか?
違法になっていないか?
それを考えて欲しいのです。
そしてどこか一社がドーピングをすると、
結局そこと競争するために他社もドーピングに手を出すことになり、
業界の健全な競争が失われ、
それは個々にも影響するデフレや低賃金など社会としての問題へとつながります。
その仕事、条件、それは今、そのやり方でないといけないのか?
どうぞ自分に問いかけて考えてください。
自分に、自社にドーピングをさせていないかと。
ドーピングは結局、自身を滅ぼしますから。
自分では分からないかも・・・と思われたら気軽にご相談ください。
ドーピングじゃないやり方を一緒に考えましょう。