世間は日大アメフト部の問題が連日報道されています。
いまや反則タックルそのものの問題だけでなく、
日大の体制や対応についての方が問題となっています。
それに対するコメント、意見も出尽くしている感があり、
私が特に斬新な事を言えるわけではないのですが、
一連の流れを見ていて危機管理全般への基本的な考えを
書いておきたいと思います。 

今回の日大の対応で私が考える根本的で致命的な問題は
軽く考えたせいなのか、問題と正面から向き合っていなかった事です。
つまり、根本の事実の把握を疎かにしてしまった事です。

思うに、日大の監督は自身の力(権力)を過信し、誤解していたのでしょう。
こうした人は企業でも居ますが、
会社で偉いからといって、その力が何処でも通用すると思ってしまう人、
在る企業で社長だからと関係の無いお店で
「俺を誰だと思っているんだ!」と怒鳴るような人です。
関係の無いお店のスタッフにとっては、ただのおじさんでしかないというのに。
そんな権力への勘違いから今回、この問題がここまでになると思わなかったのでしょう。

記者会見で監督が言っていましたが、確かに大学の部同士の話しならそれで済んでいたでしょう。
でも、それでも相手を下に見ていた為に加害者側でありながら自ら進んで対応せず、
ただでさえ少ない対応を考える時間を失ってしまいました。
その上、世代が違いすぎたからかネットでの映像や批判の広がりを、
理解していなかった為に何の対応も取らず、どんどんと世間やマスコミに広がり
問題が部だけの話しではすまなくなってしまいました。

ここにおいて日大側は、未だこの問題に正面から向き合うのではなく、
ごまかし、隠し、逃れる事を考えたのだと思います。
これも問題に正面から向き合わない事の弊害で
向き合わないが為に対策を立てるのに一番大切な事、
客観的事実の把握が出来なくしてまったのです。
当然ですが、何事もしっかりと理解しなければ対応も出来ません。

この時点でそれが出来ていれば、
今や問題は反則行為そのものだけではなく、
それを知り問題視している世論やマスコミにまで広がり、
体制や態度、対応そのものにまで、
もっと言えば個人から部、部から大学にまで話しが広がっている事を
感じられたと思います。 

しかし日大は時間を失い、問題の客観把握も出来ないまま、
いや、しないままあくまでも自身の力を盲信し、
その場その場の対応を繰り返してしまいました。
時間もタイミングも逃してしまったとしか思えません。

では、しっかりと問題に向き合うとはどういう事か。
私は考える指針は「ごまかさない」「隠さない」「逃げない」です。
ネットやSNSの発達した現代で、国ですら完全に物事を隠し通すのが難しいのに
一企業や個人が何かを隠し通すというのは無理だと思います。
であれば問題を性格に把握し「ごまかさない」「隠さない」「逃げない」を念頭に
できる限り誠実な対応をするしかないと思っています。
あとでぼろぼろと問題が出たり、ばれるなんて事は、
より不信感を生み信頼を回復するのは無理だからです。

そして対応として大切なのは先の対応です。 
川に流れるボールを取るのを想像してください。
流れていく問題を正面に来たときに取ろうとしても間に合いません。
その先に手を出し、流れてくるボールをキャッチするのが確実です。
流れを把握せず、無理に目の前に来たときに取ろうとすると、
結局はボールは先へと流れていってしまいます。
問題を把握したらそれ以上の反省をし、その覚悟で問題に向かう事で、
しっかりと説明し謝罪する時間とタイミングを計れ、
更に横から謝るのでは無く、正面からその問題に取り組んでいると
感じてもらう事ができます。
その場で見れば、なんでそこまでと思う方が多いかもしれませんが、
更に先、更に大きな問題となる事を考えると
認めるべき非は認め、きっちりとけじめをつける事が大切です。
そして、そうしたけじめをつけた失敗は必ず次への糧となります。

さて、少し抽象的でしたが、分かっていただけたでしょうか?

そうした問題への対応を具体的に相談したい時には
まずはレンタルコンサルタントからご依頼ください。