芸人の闇営業の件が本人達と社長の会見を経て、
今や吉本興業の会社の体制問題になっています。
本来なら反社会組織との関わりが問題であり事件で、
今の吉本興業自体の問題は社内的な話しの筈なのですが、
報道の流れを見る限り、会社というか社長の対応の不味さから
公の場に会社の問題を晒してしまうことになりました。
本当の被害者である詐欺にあった方々は、
この自体をどんな目で見ているのかというのはありますが、
とは言え、ここはビジネス系blogなので、
すみませんが、あえてビジネス、
コンプライアンスについてのみ書かせて頂きます。
 
さて、近年いろいろな問題で謝罪会見が開かれ、
反面教師として他山の石となるものがさんざんあったと思うのですが、
それらを表面的な形すらフィードバック出来ていない事実。
それ自体、その会社が如何に時代に対応出来ていないかということを表しています。

原因は大きく二つ。

1.
社会も文化も法令すら変わっていくものなのに、
会社だけがそこに留まり続けようとする。そこに無理があります。

2.
「コンプライアンス」という言葉が
本当の意味を汲み取り中身を充実させず、
まるで流行言葉のように、その音、フレーズだけが使われている事です。

まず、1についてお話しすると、
私を含め、だいたい50歳前後を境にそれより上の年代の方々は、
意識しないと、バブル後、就職氷河期、リーマンショック、
派遣法の成立などを経てきた今に感覚が合わなくなっています。
学ぶ事も常識も技術も法律すら実際に変わっているんです。
なのに口から出るのは「自分の時は」「昔は」「自分達の頃は」など
でも、考えて見て下さい。そこに続くのは全て「○○だった」という過去形なのです。
そう、自分でも頭ではそれが変わっていることを知っているのですから、
それを直視し、自分達も、会社も組織もやはり時代に合わせて
より今にベターな体制に変わらなければなりません。
昔の全てを否定する訳ではありません。
それらの本質を捉え、今に合わせて考え、実行する事が必要なのです。
もちろん、今では無くした方が良い事もあるでしょう。
それもまた変化なのです。

そして2については、
もう一度「コンプライアンス」という言葉とそれが言われ出した意味をお考え下さい。
それは呪文のようなフレーズではなく「法令遵守」という意味がしっかりとあるのです。
「法を守る」単純明快でブレようのない意味がそこにあります。
コンプライアンスを守るとは、本当はわざわざ言うような事では無く、
当たり前の事なのです。
なのにそれが出来ていなかった、出来ていない。それが現状です。
働き方改革? その前にいろいろな法律、決めごとをしっかりと守る事、
守ると宣言する事、そして実行する。
日本はこれまで大抵の企業、会社が業務規約や契約書すら
なあなあで済ませてきた文化があります。
だからこそ、今、コンプライアンスと言うなら、
この機会にしっかりと「法令遵守」を考える事がこれからの企業には必要です。
それはこれからの企業にとってもきっとプラスになります。
と言うより安全です。

さて、こうした1、2の状態と、そこに居て変われない会社と人が
記者会見で表に出ると、ああなってしまうのだと私は思います。
そうならない為にも、今から自分を、会社を見直し、
自身から変わることをお勧めします。

それがグローバル化が進む今に対応する根本にもなると
私は考えます。
会社も人も変化ではなく進化するのです。